四畳半の秘密基地
民藝麦わらの店 晨(あした)
工房の始まり
民藝麦わらの店 晨~あした~
伊豆市、出湯の里 修善寺温泉
歴史の渦巻く修善寺温泉の入口にある四畳半の小さな工房。
工房は戦後間もなく、先代の父(辻 晨吾・つじしんご 享年67歳)が自ら手作りで建てた当時のまま現存しております。今では珍しい、天井の茅葺きや、ランプ傘、至る所に隠れ魅力が沢山詰まった小さな隠れ家のような工房で、大森細工をはじめとし、ほたるかごや麦結びのような編み細工、そして、麦わらを伸ばして桐箱や板、色紙に貼る張り細工などがところ狭しと並んでいます。見つけられる人はいるかしら。辿り着けたらラッキー。なぜなら、ここにある麦わら細工は江戸時代から日本独自にある大森細工を作成販売している唯一の工房だから。東海道から流れ流れて、令和の今、その貴重な技は修善寺で生き延びています。今年で工房は77年目。修善寺温泉で100年以上の歴史のある修善寺麦わら細工です。
戦後77年と時を刻む工房
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むぎわら細工
麦わら細工とは
麦の茎(麦稈ばっかん)や穂先を利用し作り上げる作品のこと。主な細工は麦わらを編み上げる「編み細工」麦わらを裂いて伸ばしたものを桐箱や色紙、その他のものへ貼り付ける「張り細工」があります。近年ではフィンランドの伝統的な麦わら細工「ヒンメリ」(麦の管に糸などを通して様々な形に組上げる作品)が流行しています。
麦わら細工に使用する麦は、細工によっても違いがあり、世界中の麦わら細工を見ると、小麦・ライ麦を使用している作品が多く、その理由としては、その土地の主要特産物して手に入りやすく、また豊作を祈るのお祭りなどに由来するものが多いように見受けられます。日本の伝統的な麦わら細工には大麦や小麦を使用している作品が多いです。大麦が利用される理由としては、麦稈の太さと長さ、そして、しなやかかさがあるため、特に編み細工においては、細工中に折れにくいなどの利点があります。